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電気工事士の仕事はきつい?現役18年が語る体力・精神面の本音


電気工事士の仕事はきつい?現役18年が語る体力・精神面の本音

結論から言う。電気工事士の仕事はきつい。ただし「何がどのくらいきついか」を知れば、対策は立てられる。18年現場に立ち続けた視点で、体力・精神・環境の3軸でリアルを語る。

電気工事士の「きつさ」は3種類に分かれる

電気工事士がきついと言われる理由は、ひとつではない。大きく分けると「体力面」「精神面」「環境面」の3種類がある。それぞれ質が違う。入る前に知っておくかどうかで、離職率が大きく変わる。

実際に私が現場で感じた「想定外のきつさ」は、体力よりも精神面だった。18年の経験から言うと、体力は慣れる。精神的な消耗は職場環境で決まる。

【体力面】電気工事士が実際にきつい3つの理由

① 高所・狭所・重量物の三重苦

電気工事では、天井裏・ピット・足場・電柱の上など、過酷な場所が作業エリアになる。天井裏は気温が夏場に50度を超えることもある。幅40cmの配管スペースを這って進む作業も珍しくない。

重量物の運搬も日常だ。配電盤は軽くて50kg、重いものは200kgを超える。エレベーターのない現場では、4〜5人で階段を運ぶ。腰を痛める職人が多いのはそのためだ。

② 夏の屋外・夜間工事の消耗

道路工事や屋外の電柱作業は、夏の直射日光をまともに受ける。体感温度が45度を超える現場もある。2Lのペットボトルを1日3本飲んでも、まだ汗が出る。

夜間工事は別のきつさがある。店舗・工場・商業施設の停電工事は、営業時間外に行うのが原則だ。深夜0時スタートで朝6時終了、という現場が年間で20〜30件ある会社も多い。電気工事士の夜勤・深夜手当の相場と現場ごとの働き方については別記事で詳しく解説している。

③ 工期末の長時間労働

竣工前の1〜2週間は、1日12〜14時間労働が当たり前になる現場がある。工期は絶対に守らなければならない。電気が入らなければ、内装・設備・引き渡しがすべて止まる。

プレッシャーが体力消耗に拍車をかける。疲弊した状態での電気工事は、感電・転落のリスクも高まる。

【精神面】見落とされがちなストレスの正体

職人文化と怒鳴り声のプレッシャー

18年の経験から言うと、精神的にきつかった時期は新人の2〜3年目だ。当時の職長は、間違いがあると全員の前で怒鳴る文化の人だった。ミスが怖くて手が震えたことが、実際に何度もある。

ただしこれは会社・職場による差が大きい。古い職人気質の会社ほど、この傾向が強い。求人票だけでは判断できない部分だ。電気工事士の求人票の正しい見方とブラック企業を見抜くチェック項目を事前に確認しておくことをすすめる。

「ミスが命取り」になるプレッシャー

電気工事は、配線を1本間違えると火災・感電・設備破損につながる。ミスが人命に直結する現場では、常に緊張感がある。

接続ミスで漏電が起きた現場を、私自身が2件経験している。いずれも自分の手違いではなかったが、一緒に調査に立ち会ったときの緊張感は今でも覚えている。

他業種との連携ストレス

電気工事士は建設現場の中で、多くの業種と連携する。内装・空調・配管・設備・ゼネコン管理者。それぞれの都合が衝突したとき、調整のしわ寄せが電気に来ることが多い。

「なんで俺たちがここまで合わせないといけないんだ」と思った現場は、18年で50件以上ある。理不尽な要求に応え続けることが、じわじわと精神を削る。

【環境面】現場環境のリアルを数字で見る

環境要因 内容 きつさの度合い
夏場の屋外気温 体感温度45〜50度 ★★★★★
天井裏作業 高温・狭所・粉塵 ★★★★☆
夜間工事の頻度 月2〜8回(現場による) ★★★★☆
工期末の残業 月80〜120時間超えも ★★★★★
移動・拘束時間 往復2〜3時間が標準 ★★★☆☆

それでも「やめなかった」理由――18年続けた本音

きついことは事実だ。ではなぜ18年続けたか。理由は3つある。

1つ目は、手に職がつく安心感だ。厚生労働省のハローワークの求人データを見ても、電気工事士の有効求人倍率は常に3倍を超える。資格さえあれば仕事に困らない安心感は大きい。

2つ目は、収入の伸びしろだ。私が1年目に受け取った手取りは月19万円だった。10年目には月35万円を超えた。資格・経験・立場で収入が着実に上がる。電気工事士の給料明細を公開している記事でも、実際の手取り・手当の内訳が確認できる。

3つ目は、完成したときの達成感だ。自分が配線した建物に電気が入る瞬間の達成感は、他の仕事では得られない。大型施設の工事が竣工したとき、職人仲間と顔を見合わせた瞬間が今でも好きだ。

「きつさ」を減らすための職場選びのポイント

工種の違いで「きつさ」は変わる

電気工事士といっても、住宅・商業・工場・インフラで仕事の質が全然違う。住宅電気工事は1件2〜3時間で終わり、体力消耗が少ない。工場・プラント系は重量物と高所が多く、体力面での消耗が大きい。

自分の体力・得意分野に合った工種を選ぶことが、長く続けるコツだ。

転職で「きつい職場」から抜け出す選択肢

今の現場がきつすぎると感じるなら、転職は現実的な選択肢だ。電気工事士の資格と経験があれば、同職種でも条件の良い会社に移れる可能性は高い。

ビルメンテナンス職への転向も選択肢のひとつだ。体力的な消耗が少なく、夜間対応もローテーション制が多い。電気工事士からビルメンテナンスへの転職ガイドでは、仕事内容と年収変化を詳しくまとめている。

資格の取得でポジションを変える

第一種電気工事士・施工管理技士などの資格を取ると、現場作業から管理側に移れる。管理職になれば体力的なきつさは大幅に減る。

電気技術者試験センター(公式)では、各資格の試験日程・受験要件を確認できる。キャリアプランを描くうえで、資格取得は最短ルートだ。

キャリアアップの具体的な道筋については、電気工事士のキャリアアップ方法|現場職人から施工管理・独立までを参考にしてほしい。

電気工事士に向いている人・向いていない人

向いている人

  • 体を動かすことが苦にならない
  • 細かい作業を丁寧にできる
  • 図面を読むのが好き
  • 手に職をつけたい意志がある
  • チームで動くことが好き

向いていない人

  • 高所・密閉空間が極度に苦手
  • 熱さ・寒さに非常に弱い
  • 怒鳴り声でパニックになりやすい
  • スケジュール変更が極端に苦手
  • 継続的な体力維持が困難

まとめ:「きつい」を知ったうえで判断することが大切

電気工事士の仕事がきついのは事実だ。ただし、すべての現場・すべての会社が同じではない。

体力的なきつさは慣れで乗り越えられる部分が大きい。精神的なきつさは職場環境で8割が決まる。環境を変えるだけで、仕事の体感がまったく変わる。

18年現場を続けてきた私の結論は、「どこで働くか」が「何をするか」より重要だということだ。資格と経験があれば、転職・工種変更・キャリアアップの選択肢は複数ある。きつい現場に留まり続ける必要はない。

よくある質問(FAQ)

Q. 電気工事士は何年目まで体力的にきついですか?

A. 一般的に入社1〜3年目が最もきついと言われる。体の使い方・段取りの効率化を覚えるまでに時間がかかるためだ。4〜5年目以降は体力的な消耗が大幅に減る職人が多い。ただし夜間工事の頻度が高い職場や、大型現場の施工管理は例外で、5年目以降も体力・精神への負荷が続く場合がある。

Q. 未経験でも電気工事士の仕事についていけますか?

A. 未経験でも十分についていける。最初の6か月は体力的・技術的に厳しく感じるが、先輩職人のサポートがある現場であれば1年以内に基本作業をこなせるようになる。第二種電気工事士の資格を事前に取得していると、現場での習得スピードが早まる。資格取得に関しては電気技術者試験センターの公式情報を参照してほしい。

Q. 電気工事士でも夜勤なしで働ける現場はありますか?

A. ある。住宅電気工事・太陽光設備工事・リフォーム系の会社では夜間工事がほぼ発生しない。一方、店舗・工場・商業施設を主力とする会社は夜間工事が月4〜8件以上になる。求人票に「夜間工事あり」の記載があるか、面接で頻度を具体的に確認することが重要だ。

Q. 電気工事士の精神的なきつさを減らす方法はありますか?

A. 最も効果が高いのは「職場を変えること」だ。職人文化が強い会社から、教育体制が整った会社に転職するだけで精神的な消耗が激減する事例は多い。また、施工管理や現場監督へのキャリアアップで、作業ではなく管理側に立つことも有効な選択肢だ。転職の際はエージェントを使うと、職場環境の内情まで事前に確認しやすい。

Q. 電気工事士はきついわりに給料は見合っていますか?

A. 会社・経験年数・資格によって大きく異なる。大阪・東京などの都市部では、経験5年・第一種電気工事士保有で年収500〜600万円台も珍しくない。独立すると年収800万〜1,000万円を超えるケースもある。逆に、資格なし・経験浅い段階では年収280〜320万円台に留まることも多い。きつさに対して見合うかどうかは、現場の種類と会社の給与体系で判断する必要がある。

✍️ 著者プロフィール

電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。

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